代表理事挨拶

病気でお悩みの皆様へ

投薬を中心とする現代の医療は、多くの病気を克服してきました。

ところが一方では、がんは依然として高い死亡率を示す克服できない病気の一つです。

また、心が落ち着かない、不安で眠れない、だるくてやる気がおきない・・・、うつ病と診断され、クリニックに通っているが、一向によくならない。自律神経失調症と診断されて薬を服用しているが、症状は全く変わらない。

残念ながらそんな毎日を送っている方がたいへん多くいらっしゃいます。

私自身、開業当時には、これらの不定愁訴を根本的に治療することができない現実に直面していました。そんな時、偶然オーソモレキュラーの研究者と出会い、そしてたどり着いたのがオーソモレキュラー栄養療法です。

急性期の病気には、もちろん、従来の医学が必要な場面も多くあります。
しかし、従来の医学では補えない、従来の医学では解決できないこと、従来の医学では解決が難しくあきらめていた領域にメスを入れることができるのが、オーソモレキュラー栄養療法です。

それから、十数年、クリニックでの診療を通じ、たくさんの方がオーソモレキュラー栄養療法で改善していく現実を目の当たりにしました。その現実は、私のオーソモレキュラー栄養療法に対する想いを確信に変えてくれました。

同時に、それらを継承し、勉強して下さる研究熱心な医師にも多く触れ合ってきました。

このオーソモレキュラー栄養療法が、少しでも病気に悩んでいる皆さんの手助けになればと願ってやみません。

代表理事 溝口 徹

オーソモレキュラー
栄養療法とは

オーソモレキュラー栄養療法(orthomolecular medicine)は、我が国では「栄養療法」「分子栄養学」「分子整合栄養医学」とも称され、栄養素-適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロール-を用いて、わたしたちの身体を構成する約37兆個の細胞のはたらきを向上させて、様々な病気を治す療法です。

海外では1960年代より、精神疾患領域の治療として応用され始め、今では、その応用範囲はほぼすべての医療分野に及ぶまでになりました。

こんにち我が国においても多くの医師がこれを学び、全国の医療機関(3,300施設)において、オーソモレキュラー栄養療法が日常診療に取り入れられ、そして素晴らしい成果が着実に上がっています。

以下は、オーソモレキュラー栄養療法を実践される先生のブログからの抜粋です。オーソモレキュラー栄養療法の本質を簡潔にして明確に解説されていますので、ご了解をいただいた上でここに抜粋いたしました。

医学を学んだ方ほど栄養療法やサプリメントは異端というイメージを持っているようです。大きな誤解です。栄養医学でも、西洋医学(つまり科学)で知ることが出来た体の仕組みや病気の原因を基本にして問題を解決しようとしています。使っている原理は同じ、違うのはアプローチの仕方です。

木の根元に病原菌が巣くっているとします。枯れてきた葉っぱや枝を刈り取っても木全体の力は弱り、また新しい場所の枝葉が枯れていきます。人間も同じです。人という一つの大きな代謝システムをイメージしてください。奥の根っこの方に何か不調があったとします。血圧が上がるとか、湿疹が出来たとか、髪の毛が抜けるとか、最近お腹が出てきたとか、血液検査では血糖値やコレステロールが高いとか・・・。これらの異常は表面に出てきた症状であって、一時的に薬で改善しても奥にある問題は解決していません。

栄養療法は根本的な原因を改善することを目的としています。

例えば、生活習慣病といわれる高血圧や糖尿病、高脂血症などの多くは、内臓脂肪の異常な肥大が原因です。内臓脂肪が出す様々なホルモン様物質や炎症のもとになる物質が病気の原因になっています。内臓脂肪を減らすような効果的なやせ方が出来れば、多くの問題が解決します。内臓脂肪を増やすのはインスリン、インスリンの分泌を増やすのは血糖値の上昇、だから血糖値を上げないようなものを食べよう! という具合です。

実際に、要点をしぼって食事療法をしていただくと本人も驚くほど短期間で効果があがります。体は体の理論通り正直に変化するので当たり前といえば当たり前です。栄養療法では当たり前の体の働きに注目してそれを少しだけ後押ししています。

様々な病気に対して栄養療法は根本的な原因を診断してアプローチしています。その結果、薬を使わず本来持っている体の働きを利用して目覚ましい効果をあげているのです。

(ひめのともみクリニック 内科医 西澤真生先生ブログより抜粋)