代表理事挨拶

オーソモレキュラー栄養療法の
可能性

 

1997年にオーソモレキュラー栄養療法に出会うまでは、いわゆる普通の医師でした。
特にペインクリニックを標榜し開業していたため様々な痛みに悩む多くの患者さまが受診する街中のクリニックの院長でした。
それまでは、教科書に載っている診断基準と保険診療のガイドラインに沿った治療に疑問を持たず、多くの患者さまへ通常の投薬中心の治療を提供していました。
大学医学部でのカリキュラムには、病気と栄養の関係の授業はほぼありません。
そして医師になるための国家試験にも病気と栄養の関係についての問題がないため、医学部の学生はこれらの知識を得る機会が無いのです。
また医師になると研修医の期間はひたすらに先輩医師が行う治療を学び、保険診療で認められる診断方法と治療を繰り返すことになります。

我が国の医療制度では、健康保険で認められる治療法であるということが重要視され、患者さんの個別に異なる病態や保険で認められる診断に至らない状態への治療は基本的に認められません。
つまり自分のように偶然に栄養療法の存在を知らなければ、この栄養療法によって多くの患者さまが素晴らしく改善される経過を診ることが無いのです。
そして、医師としての専門性が強くなればなるほど、その専門分野に栄養素の欠乏やバランスの乱れが関係しているということを受け入れることが困難になってしまいます。

COVI-19のパンデミックをきっかけに免疫と栄養の関係が注目されました。

また医療の分野でも予防やアンチエイジングなどが注目されるようになり、オーソモレキュラー栄養療法が医師、歯科医師へ知られることが増えてきました。
自分が講師を務めるベーシックセミナー、アドバンスセミナーを受講する先生方も増え、いまでは日本国内で約6000件の医療機関で栄養療法がおこなわれるようになりました。
私たちは、栄養素の潜在的な欠乏や代謝の乱れが多くの症状や病気と関係していることを医師、歯科医師、さらにパラメディカルスタッフ、そして栄養の大切さに気付いた多くの皆様へ伝えることをミッションとして活動してまいります。

代表理事 溝口 徹

オーソモレキュラー
栄養療法とは

オーソモレキュラー栄養療法(orthomolecular medicine)は、我が国では「栄養療法」「分子栄養学」「分子整合栄養医学」とも称され、栄養素-適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロール-を用いて、わたしたちの身体を構成する約37兆個の細胞のはたらきを向上させて、様々な病気を治す療法です。

海外では1960年代より、精神疾患領域の治療として応用され始め、今では、その応用範囲はほぼすべての医療分野に及ぶまでになりました。

こんにち我が国においても多くの医師がこれを学び、全国の医療機関(3,300施設)において、オーソモレキュラー栄養療法が日常診療に取り入れられ、そして素晴らしい成果が着実に上がっています。